本校日本語学科で学ぶ留学生の冬の遠足が2月9日(日)、「雪のワークショップin旭岳」に参加する形で旭岳ビジターセンターで行われました。参加した11期生28名、12期生26名は雪の結晶をスマホで撮影する方法を学んだり、氷のペンダントを作るなど、寒い北国ならではの雪と氷の初体験を満喫しました。
人工雪に初めて成功するなど、雪の研究で世界的に知られる中谷宇吉郎博士(加賀生まれ、1900年~1962年)の生誕120年記念事業として石川県加賀市にある「中谷宇吉郎雪の科学館」友の会(神田健三会長)がゆかりの地、旭岳温泉でこのワークショップを企画しました。講師として神田会長と友の会メンバーが金沢や東京から9名、来町しました。
はじめに神田会長が講演。「中谷博士は大雪山の十勝岳と旭岳の麓で雪の観察、撮影、研究を続けました。雪は雲の中の温度と湿度によって結晶の形が決まるので、結晶を観察すれば空の状況が分かることから、中谷博士は『雪は天からの手紙である』という名言を残されました。旭岳ふもとは美しい雪の結晶が観察できる聖地です」などと解説しました。
この後、留学生は3班に分かれ、①雪の結晶をスマホで撮影する②氷のペンダントを作る③雪の映画鑑賞-を順に体験しました。
ビジターセンター屋外での結晶撮影は、まぶしいほどの晴天で降雪には恵まれなかったのですが、友の会が事前に作っていた「雪のレプリカ」をラッパ型ルーペやスマホに付ける接写レンズを使って、極小の結晶を鮮やかに写しました。小さくて、すぐに蒸発してしまう雪の結晶をきれいに撮影できることは、これまで知らなかっただけに感動的な体験になりました。
氷のペンダントは、熱伝導率の高いアルミ製の「六花氷モールド」を使って作りました。モールドは、中央に六花型の凹みがある円筒形の道具で、上ぶたと下台の間に厚さ約7㎜の薄い氷を挟むと、モールドの微熱と上ぶたの重みで回りの氷が解けて、中央部に氷のペンダントが残ります。氷がゆっくり解けた後、中からかわいらしいペンダントを取り出した留学生が思わず見とれるほどの仕上がりでした。
雪の短編映画を鑑賞、最後は友の会のメンバー、菅家富子さんの歌唱指導で童謡「ゆきやこんこ」を留学生全員で合唱して1時間余りのワークショップを終えました。友の会から「雪の結晶折り紙」が記念に54名と佐藤元子先生はじめ引率の先生にプレゼントされました。