中国上海にある北海道東川事務所の副所長、王雪さんが6月25日に中国江西省南昌市で開かれた日中介護産業協力座談会に出席し、旭川福祉専門学校の介護福祉科の授業や、本校が町と共に進める外国人介護福祉人材育成への取り組みなどを南昌市の関係者に広く紹介しました。

　南昌市は江西省の省都で政治、文化、経済の中心都市。人口約625万人余のうち60歳以上が約15％、65歳以上が約10％を占めます。養老施設は1700軒余あり、これに在宅ケアの充実などサービスは多様化しています。政府から施設建設支援金、人材への支援金、高齢者への福利支援金などがあり、施設は国家が出資、開設、管理する公営施設、保険会社や外資系の民営施設、政府が土地や建物を所有し、運営を民間に委託する公設民営施設があります。医療、娯楽などサービスが整った高齢者アパートもあります。

　座談会では、中国の介護施設には40代超の介護員が多く、若い世代が少ないうえ、介護員の多くは2週間から1か月の集中トレーニング終了後に介護の仕事を始め、仕事をしながら成長していくので、専門知識と技術を持つ介護人材が足りないと説明がありました。

　王雪さんは本校への報告書の中で、中国の介護・看護学校からの留学生受け入れや、中国企業、介護施設からの短期研修生受け入れなど人材育成にかかわる日中間交流を本校に提言してきました。

　座談会には南昌市側から民生局長、外事弁公室国際交流科長、主な施設の代表らが出席。日本側は在上海日本国総領事館の副総領事とスタッフ、介護福祉用具を扱うパラマウントベッド、介護人材育成の日医、介護用紙オムツ製造の日本製紙などが参加しました。

　王雪さんは、在上海総領事館で開催された専門学校留学フェアでも本校のブースを設けてアピールするなど、中国からの留学希望者の橋渡し役として活躍しています。