こども学科1年生の施設訪問に代わる講演が15日(水)、2講時から4講時にかけてふれ愛の郷2階研修室で行われました。
講演を引き受けてくださったのは、幼保一元化施設の東川町幼児センター(愛称ももんがの家)と、障がい者支援施設の社会福祉法人富良野あさひ郷、並びに社会福祉法人当麻かたるべの森の3施設。
お話してくださったのは、
東川町幼児センター
安達啓一園長
そして、二つの社会福祉法人からはいずれも本校の卒業生で両施設で活躍している次の6名の職員。
富良野あさひ郷 北の峯学園
三浦圭一さん(保育科16期生:平成4年卒)庶務課長
遠藤飛鳥さん(こども学科4期生:平成30年卒)
杉浦利奈さん(こども学科5期生:令和元年卒)
当麻かたるべの森 ギャラリーかたるべプラス
渡部孝弘さん(保育科31期生:平成19年卒)
海野侑也さん(保育科35期生:平成23年卒)
市川沙都さん(保育科38期生:平成26年卒)
講師の皆さんは、資料を綿密に準備され、パワーポイントを駆使して、それぞれの施設の写真や動画を紹介しながら分かりやすく話を進めました。
安達園長は、「東川町は日本一の子育てと教育の町づくりを進めています。現在、0歳から5歳までの乳幼児約250人がおり、職員の他に国際交流員(CIR)や外国語指導助手(ALT)の外国人、あるいは地域の人たちの応援によって、異文化交流や外国語教育を進めています」などと取り組みを紹介しました。職員の待遇(給与、住宅手当、昇給、社会保険など)にも踏み込んで説明し、聴講の学生らには「子どもたちの持ち味を大切にする保育の専門家としての力を高めてほしい」と呼び掛けて講演を締めくくりました。
昼食、休憩に引き続き3講時には、社会福祉法人富良野あさひ郷の三浦課長らが「障がい者支援施設」「共同生活援助事業所」「障がい者福祉サービス多機能型事業所」など、社会福祉法人富良野あさひ郷の多様な施設の理念、取り組み、利用者の様子などを詳しく話されました。昭和49年に法人が事業開始した北の峯学園と本校の連携は永く、82名の職員のうち24名が本校卒業生です。
遠藤さん、杉浦さんは「本校で学んでいたときは保育士を目指していたけれど、北の峯学園で実習したことがきっかけとなって障がい者を支援する仕事に進路を変えた」と体験を話し、「誰よりも利用者の近くにいて、段階を踏んで乗り越えていく姿を見ていると、私たちも達成感に満たされ、やり甲斐を感じます」「障がいを『個性』として理解し、尊重して、支援しています」と充実した仕事ぶりを語りました。
4講時は、知的ハンディを持つ人たちが利用する当麻かたるべの森の3名の講話になり、40町歩の広大な土地で森林に親しみ、畑作、園芸、パン工房、陶芸、木工など、高齢者や町民も一緒に参加する福祉圏構想に取り組んでいる様子を紹介しました。発表した一人、市川さんは、施設利用者を「スタッフ」と呼び、芸術的な創作活動やパン作り、喫茶店運営などを障がい者、健常者の区別なくスタッフと活き活きとこなしていることを紹介しました。
かたるべの森の3名は最後に「障がいって何だろう、一緒に考えよう」と、グループワークを提案。学生を3グループに分けて「見えない」「聞こえない」「両足が不自由」のハンディにどのように対応できるかを学生と一緒にフリートーキングしました。
グループワークで「障がい」について共有した後「障がいのある方が特別なのか?」と、かたるべの森の考え方を話され終了しました。
1講90分間を3コマ連続しましたが、学生は講師の話に興味深く聴き入っていました。こども学科長 成田潤子先生らは「ご多忙にもかかわらず、貴重な資料をたくさん準備してくださり、大変有意義な講話になり、ありがとうございます」と感謝し、また、本校卒業生が講師として来校されたことにも「それぞれの施設で活躍されていることが分かりとてもうれしく、後輩たちにも励みになる」と、喜んでいました。
こども学科1年生の施設訪問は毎年5月に実施していましたが今年はコロナウイルス感染防止のため、訪問が中止になりました。
3施設の皆様の説明は訪問実習に匹敵するような素晴らしい内容となりました。